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高電圧増幅器

定電流動作モードの基本回路例

負荷の大小によらず入力信号のみによって出力電流値が定まる回路が
定電流回路です
±15V電源で動作するOPアンプによる低電圧出力の定電流回路となります

 
 
 
Fig 111-1

OP Amp出力と負荷の間に(負荷抵抗R501の値に比べて非常に大きな)抵抗を入れただけの簡易的な定電流回路です。
R501が0Ωなら、入力信号が10V(-10V)のとき、10kΩの抵抗R5に1mA(-1mA)の電流が流れ、これが出力電流となります。
従って、入力電圧V1に対して0.1mA/Vの定電流出力となります。
負荷抵抗R501が10kΩに比べて十分小さくないと、出力電流の誤差が大きくなります。
 
 
Fig 111-2

 :R501=1Ω  :R501=2Ω  :R501=5Ω  :R501=10Ω
 
0V/10V、5mSパルス入力に対する出力電圧波形です。
負荷抵抗R501が10Ω、20Ω、50Ω、100Ωのときの出力電圧波形で、出力電圧をその抵抗で割れば(約1mA一定の)出力電流となります。
R501=100Ωでは、約1%の誤差が生じています。
従って、誤差を1%以内に抑えたい場合、出力電圧は±100mV以下となります。
 
 
Fig 111-3

OP AmpU2を追加し、負荷抵抗で発生した電圧分を抵抗R5に下駄をはかせ、負荷に加わる電圧から生ずる電流誤差をなくした定電流回路です。
±10Vの入力に対して、負荷抵抗(の両端に生ずる出力電圧)とは無関係に、抵抗R5の両端には±1Vが出ます。
従って、±10V入力に対して電流レンジはFS=±1mAとなり、また出力電圧も±10Vまでは可能です。
抵抗R5を変えることで出力電流のレンジを変えることができます。
R5=10Ω、100Ω、1kΩ、10kΩならFS=±100mA、±10mA、±1mA、±100uAとなります。
OP AmpU2に流れるバイアス電流による誤差は、数nA程度(以下)であれば±100uAレンジでも無視できます。
 
 
Fig 111-4

 :R501=1Ω  :R501=2Ω  :R501=5Ω  :R501=10Ω
 
0V/10V、5mSパルス入力に対する出力電圧波形です。
負荷抵抗R501が1kΩ、2kΩ、5kΩ、10kΩのときの出力電圧波形で、出力電圧をその抵抗で割れば(正確な1mA一定の)出力電流となります。
R501=10kΩでも、誤差のない1mAの電流出力が得られています。