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高電圧増幅器

出力段mosFET 2段構成 その3

高電圧増幅器を出力段mosFETの正側、負側を2段で構成した回路Fig22-1を改良し、その問題点を検討します

 
 
 
Fig 23-1
Q101のゲートを入力容量の小さなmosFET Q111(nチャンネル)とQ121(pチャンネル)の組で構成されるプッシュプル回路で、同様に
Q201のゲートを入力容量の小さなmosFET Q211(nチャンネル)とQ221(pチャンネル)の組で構成されるプッシュプル回路でドライブしています。
Q101、Q201のミラー効果による悪影響を軽減し、等価的に入力容量を小さくすることで、Fig 22-1におけるR101、R102、R201、R202
の抵抗値500kΩを4倍の2000kΩに上げ、それらの抵抗で消費される電力損失を抑え、かつ、増幅器としての性能を向上させた回路です。
Q111、Q121、Q211、Q221は20V程度の耐圧があればよく、入力容量が小さなものを使用します。
Q111、Q121への供給電源12VをR111を通してD111//C111で、Q211、Q221への供給電源12VをR211を通してD211//C211で生成しています。
入力が無信号(入力=0V)のときQ111、Q121、Q211、Q221がすべてOFFしていれば、この状態が続いても供給電源12Vの電圧低下は防止できます。

 
 
Fig 23-2
 Q101-G:Q101のゲート波形  Q201-G:Q201のゲート波形

2kHz、±10Vpk正弦波入力に対する±2kVpk出力波形です。
Q101-G、Q201-G 及び出力の位相に少しズレが生じていますが、周波数が2kHzでも出力波形は歪んでいません。
 
 
 
Fig 23-3
 Q101-G:Q101のゲート波形  Q201-G:Q201のゲート波形

4kHz、±10Vpk正弦波入力に対する±2kVpk出力波形です。
Q101-G、Q201-G 及び出力の位相にズレが生じていますが、周波数が4kHzでも出力波形に大きな歪はありません。
しかしながら、Q101-G、Q201-Gの波形にギザギザが発生しており、これが出力波形にも影響しています。