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高電圧増幅器

出力段mosFET 1段構成

±1kV出力の高電圧増幅器を出力段mosFET正負各1段で構成した基本的な回路です

 
 
 
Fig 12-1
出力段BoosterAmp部を正負各1段のnチャンネル高耐圧mosFETで構成した±1kV出力の高電圧増幅器の回路例です。
高圧電源+HVps、-HVpsが1100Vであれば、mosFET Q101、Q201には最大2200Vの電圧がドレイン-ソース間に加わるので、その耐圧が必要です。
そのため、通常は正側Q101、負側Q201ともに、高耐圧品が製品化されているnチャンネル型mosFETが使用されます。
±15V程度の低圧電源で動作するOP AmpU1と高圧出力段とをフォト・カプラーU101、U201で分離し、U1がmosFET Q101、Q201のソースをドライブします。
Q101、Q102のゲート−ソース間電圧Vgsを10Vの定電圧DC電源V101、V201で確保しています。
この高電圧増幅器のゲインはR1、R2で定まり100倍、帯域はR2、C2でほぼ定まり約30kHz(-3dB)となります。
 
 
Fig 12-2
この回路は、Fig 12-1の10Vの定電圧DC電源V101、V201をツェナーダイオードD101、D201で置き換え、高価なDC電源を不要としたものです。
電圧安定化のためのコンデンサC101、C201がD101、D201に並列接続されています。
C101、C201は抵抗R101、R201(に流れる静止電流約220uA)を通して高圧電源から10Vに(ツェナー電圧まで)チャージされます。
 
 
Fig 12-3
±10Vpk、2kHz正弦波入力に対するFig12-2の出力波形です。
2kHzでもゲイン低下がなく100倍が確保され、歪のない±1kVpkの正弦波が出力されています。
 
 
Fig12-4
 実線:振幅 / 点線:位相
 
高電圧増幅器Fig12-2の周波数特性です。
帯域が30kHz(-3dB)確保されています。
出力段BoosterAmp部のmosFETが正負各1段であれば、このように素直な特性を比較的容易に実現ですることがきます。